ヴェネト州ヴァルポリチェッラ地区、「ラルコ」が誇るフラッグシップのアマローネ。手間と時間を惜しまない造りで、飲む人をしっかり満たしてくれる1本です。

【生産者・背景】
ラルコ（L’Arco）は、コルヴィナやコルヴィノーネといった現地品種を重んじ、有機栽培や低介入を取り入れている生産者。乾燥ぶどう（アッパッシメント／appassimento）を使う伝統方式を守りつつ、自分たちのスタイルをしっかり築いています。 

【醸造の特徴】
ぶどうを収穫した後、約100〜120日間乾燥させて水分を飛ばします。するとぶどうは凝縮され、甘み・旨味・香りがぎゅっと詰まった状態に。発酵後はステンレス発酵→木樽（大きめの大樽）でじっくり熟成させて、まろやかさと深みを出しています。アルコール度数もやや高め（15％以上になることが多い）ですが、その重みがこのワインの魅力でもあります。 

【香り・味わい】
グラスを傾けると、干しブドウやアマレーナチェリー、ブラックベリーのジャムのような濃厚な果実香。そこにカカオ、スパイス（シナモンや黒胡椒）、時にはタバコや干し草のニュアンスが混ざってきます。口に入れるとまず果実の甘さが感じられ、次にしっかりした酸とタンニンが追いかけてきて、長い余韻を引くタイプ。重厚さがありつつも、だらけずにキレがあるから、時間かけてゆっくり楽しめます。 

【おすすめの料理・楽しみ方】
このワインには、肉の煮込み（ビーフシチューとか）、ジビエ、熟成チーズやフォアグラなど濃厚な味の料理が合います。温度は17〜18℃くらいで、開けてから1時間くらいデキャンタージュすると香りが開きます。ゆったり晩餐に向く味わいなので、特別な夜にぴったりです。